アンダーリム

フレームが赤いとなお良い

アメリカ軍のMREを試食する

MRE(エムアールイー)は、アメリカ軍が採用している個包装されたレーション。MREはMeal, Ready-to-Eatの略。(Wikipedia)

「不味い」という言葉とセットで扱われることが多い気がするアレ。試したのはMRE XXXIのメニュー21「レモンペッパーツナ」とメニュー23「チキンペーストパスタ」。なお、アメリカ軍のものにかぎらず、市場に流通しているレーション類はコレクションを目的として販売されており食品としての保証は一切ない。試すときは自己責任。

左端のオレンジと白の袋は堅パンで、MREの内容物ではないが伝統的な戦闘食ということでこちらも開封した。小麦粉と砂糖の素朴な風味で味は悪くないのだが、尋常ではない固さで歯が欠けそうになったので1枚だけ食べて後は持ち帰り。

メニュー23「チキンペーストパスタ」

重量級メニューっぽい名前のほうから開封して、内容物を並べる。

  • チキンペーストパスタ
  • イタリアンブレッド
  • アップルターンオーバー
  • チーズスプレッド
  • 愛国シュガークッキー
  • 炭水化物強化電解質飲料パウダー(グレープ味)
  • インスタントコーヒー、砂糖、クリーム
  • ガム
  • ウェットティッシュ、紙ナプキン、マッチ
  • ヒーター(FRH:Flameless Ration Heater)

ヒーターは化学反応で発熱するタイプで、袋に水を入れてパスタのパックと一緒に紙のスリーブに突っ込んでおくと温かい飯が食えるというもの。レーションの個体によってはこのヒーターがダメになっていることもあるようだ。あと、説明書きはちゃんと読んだほうがよい。

本来は袋の一番上を開封して食品のパウチと水を投入、袋を折り返して密封加熱し、下から開封してパウチを取り出す。ただ、間違って下を切ってしまっても蒸気がダダ漏れになるだけで加熱はできるので何とかなる。水が溢れないよう適当に立てかけて、パスタが温まるまでの間に食べられそうなものから開けていく。

アップルターンオーバー

開けた瞬間から強いシナモンの香り。りんごジャム入りのパンがバッグの底で潰れてましたみたいな見た目だが、食べてみるとアップルパイのような味でうまい。後味が災害備蓄用のパンと同じ感じだったので、保存料の風味をごまかすためにシナモンを効かせているのかもしれない。食べながら「コストコにありそうだなー」とか考えていて、帰宅後調べたら過去に同じ名前の商品があったようだ。というかこの頃コストコに行っていたので多分食べたことがある。

炭水化物強化電解質飲料パウダー(グレープ味)

要は粉末のスポーツドリンクなんだけど、溶かしたときの色が駄菓子でありそうな激しい青。車のウォッシャー液にしか見えない。味は粉ジュースのそれ。不味くはないが食事のお供にはちょっと厳しい。

チキンペーストパスタ + イタリアンブレッド

温まったパウチを開封して紙皿に出す。一口食べてみると胸肉はパサパサ、パスタはほとんど食感がない。食べるのを断念するほどではないが、ドライトマトとバジルの風味が前面に出てくるので一瞬何を食べているのか見失いそうになる。目をつぶって食べたらツナと間違えるかもしれない。冷えるに従ってバジルと謎の後味が落ち着いてくるので、このメニューは温めないほうが美味しく食べられたような気もする。ヒーターとはなんだったのか。

一方のイタリアンブレッドはパンというよりしっとりしたビスケットという感じ。近づくとピザっぽい匂いがするが基本的に薄味で、パスタと一緒に食べるのが前提っぽい。食べごたえがあってかなり腹にたまる。

チーズスプレッド

固形のチーズが苦手なので、開封して匂いをかいだ時点で喫食を断念。写真もなし。同行した友人曰く「チーズを3倍濃縮した味」らしい。

愛国シュガークッキー

自由の女神以外にも「USA」とか「鷲(アメリカ国鳥)」とかいろいろ入ってて楽しかった。クッキーの味も良く、今回食べた中では一番の当たり。

その他
  • コーヒーは普通のインスタント。
  • ガムは噛んだ瞬間に後悔するレベルの強烈なシナモン味が広がる上にすぐ味がなくなる。日本のガムの優秀さを感じることができる。
  • 紙ナプキンとマッチは使用せず。

メニュー21「レモンペッパーツナ」

引き続きさっぱりしてそうなメニューを開封し内容物をチェック。

こちらのメニューにはヒーターが入っていなかった。ヒーターはコーヒーのお湯を作るときにも使うはずだが、このメニューを食べるときはアイスコーヒーで我慢しろということなのだろうか。

中身を全部出して並べてみたところ。全体的に食事というより酒のつまみっぽさがある。

トルティーヤ(プレーン) + レモンペッパーツナ + 無脂肪マヨネーズ

4つ折りのトルティーヤを開き、ツナとマヨを載せて食べる。文字に起こすと美味そうなのに実際はそうでもない。トルティーヤは何の味もついておらず、ツナもレモンの酸味が強くて旨味が感じられない。マヨネーズを足したところで無脂肪タイプでは大した変化も起こらず、ただただサッパリした味の何かを食べ続けるしかない。パッケージからわかるようにツナは市販品(もしくはその同等品)のようだが、個人的にはスーパーでこのツナを買ってしまったら後悔する。

ベイクドスナッククラッカー(チェダー)

チェダーという表記で逃げかけたが、チーズの味はしない。正確にはチーズ味のお菓子からチーズの匂いだけ抜いて塩味が残ったような味がする。ただ、クラッカーの油がけっこう強いので食べ続けているとたぶん飽きる。ツナと油の配分を逆にしたらもっとマシになるんじゃないか。

マーブルパウンドケーキ

普通のパウンドケーキ。ただしここで言う「普通」は「(海外製のお菓子としては)普通」ということなので、パサパサだったり独特の風味があったりする。特に珍しい材料が入っているわけでもないのにどうして日本のお菓子とこんなに味が違うのかと思うが、むかし香港土産で貰ったケーキも似たような味だったのでこっちが世界標準なのかもしれない。

ハラペーニョカシュー

辛い。酒のつまみ。

ストロベリーバナナシェイクパウダー

パックに水を入れて密封しシェイクするとピンク色のドロッとした液体が出来上がる。味は「ストロベリーバナナシェイク」という感じで、最初の一口ではイケる気がしても時間が立つにつれてどんどんつらくなってくる。ぬるくて泡立った液体という点がかなりマイナスなので、よく冷えた水で作ればいいかもしれない。

その他
  • コーヒーなどはメニュー23と同じっぽいので開封せず。

総評

全体的に「不味くはない」というレベルの物が多く、これを食べ続けるのはかなりつらい。ただ、個人の好き嫌いを別にすれば食べられないというものはなかったので、改良によって「Meal, Rejected by Everybody」などと呼ばれていた時代のものからは進化しているのは間違いなさそう。別の国のレーションも食べてみたい。